犬や猫のペットブームに伴い、「いつか自分でペットショップを開きたい!」「ブリーダーになりたい!」という夢を持っている方もいるのではないでしょうか?
動物を扱うお店を開業するためには、動物取扱業の登録をすることが動物愛護法という法律により義務付けられています。
この動物取扱業の登録は、誰でも簡単に登録できるものではありません。しかし、正しい知識を基に行動に移せば必ず自分のお店を持つことが出来ますよ!
今回は、動物取扱業の登録に必要なことを以下の内容でお教えします!
- 動物取扱業者の種類と具体例
- ドッグカフェと猫カフェの登録の違い
- 動物取扱業の登録方法
動物取扱業の登録について検索すると、「法律や難しい専門用語ばかり出てきて難しい!」と挫折しそうになった方もいると思います。
そこで、この記事はこんな方におすすめです。
- 動物に関するお店を開きたい!
- まずは簡単に流れが知りたい!
- 何から手を付ければ良いか知りたい!
分かりやすく説明していくので、一緒に動物取扱業の開業を目指しましょう!
動物取扱業者の種類と具体例
動物に関する仕事をする人を動物取扱業者といいます。
その中で更に、第一種動物取扱業者と第二種動物取扱業者に分かれます。
簡単に違いをまとめると、
【第一種動物取扱業者】
- 営利目的
- 都道府県または市に登録が必要
【第二種動物取扱業者】
- 非営利目的(利益が出た場合、分配せず活動費に充てられる)
- 飼養する動物が一定数を超える場合、都道府県または市に届出が必要
ということになります。
更にここから、第一種動物取扱業者は7つ、第二種動物取扱業者は5つの種別に分類されます。具体例を挙げながら詳しく説明していきますね。
第一種動物取扱業者
第一種動物取扱業者は以下の7つに分類されます。
- 販売(はんばい)
- 保管(ほかん)
- 貸出し(かしだし)
- 訓練(くんれん)
- 展示(てんじ)
- 競りあっせん(せりあっせん)
- 譲受飼養(じょうじゅしよう)
ではこの7つの業種の具体例を挙げてみましょう。
販売
- ペットショップ
- ブリーダー など
保管
- ペットホテル
- ペットサロン
- ペットシッター など
貸出し
- ペットレンタル
- ペットモデル、動物タレントの派遣 など
訓練
- 訓練所(出張訓練も含む)
- しつけ教室
- ドッグトレーナー など
展示
- 動物園、水族館
- 猫カフェ
- ふれあいを目的とするアニマルセラピー など
競りあっせん
- 動物のオークション会場 など
譲受飼養
- 老犬ホーム
- 老猫ホーム など
(有償で動物を譲り受け、世話をする)
第二種動物取扱業者
第二種動物取扱業者は、非営利目的で一定数以上の動物を扱う場合に届出が必要になります。
- 大型動物(馬・豚)→3頭以上
- 中型動物(犬・猫)→10頭以上
- 小型動物(鳩・ネズミ)→50頭以上
- 大型と中型が合計10頭以上
- 大型、中型、小型が合計50頭以上
第二種動物取扱業者は以下の5つに分類されます。
- 譲渡(じょうと)
- 保管(ほかん)
- 貸出し(かしだし)
- 訓練(くんれん)
- 展示(てんじ)
ではこの5つの業種の具体例を挙げてみましょう。
譲渡
- 動物保護団体(個人含む) など
保管
- 動物を預かる団体、個人(但し無償)
貸出し
- 動物を貸し出す団体、個人(但し無償)
訓練
- 盲導犬や聴導犬などの飼育団体(これらの補助犬は無償で貸与されるため)
展示
- ふれあいを目的とする公園 など(但し無償)
ドッグカフェと猫カフェの登録の違い
あなたが始めたい業種が、どの種別に該当するか分かったと思います。
しかし、上記の中にドッグカフェが含まれていませんでしたよね。
ドッグカフェは本来、お客様が自分の犬を連れて来店するカフェなので、通常のカフェの開業に必要な飲食店営業許可と食品衛生責任者の登録があれば開業できるのです。
しかし、オーナーであるあなたや従業員が飼っている犬を看板犬として連れて行く場合は動物取扱業の登録と動物取扱責任者の資格取得が必要になり、種別は第一種動物取扱業者の展示に該当します。
では、猫カフェはどうでしょうか?
猫カフェは、お店が飼養している猫とお客様がふれあうことを目的としたカフェなので、この場合は第一種動物取扱業者の展示に該当するのです。
更に最近の猫カフェはふれあいだけでなく、お店の猫の里親募集を行なっている場合もありますよね。
- お店の猫を無償で譲渡→第二種の譲渡
- お店の猫を一律の金額で譲渡→第一種の販売
- お店の猫は無償だが、医療費等は支払ってもらい譲渡→第二種の譲渡(利益を得るためではなく、医療費や運営費に充てる場合)
このように、どのような運営方針かによって登録する種別が変わってきます。
また、ペットショップがペットホテル業も行なう場合は第一種の販売と保管に登録する…など複数の登録が必要な場合もあるのです。
この時点で頭がパンクしそう…という方、安心してください。
お店を開く土地の都道府県や市町村の保健所の、担当部署に問い合わせてみてくださいね。どの種別に登録が必要で、そのための申請書や必要書類は何か教えてくれるはずですよ。
動物取扱業の登録方法
さて、ここからは動物取扱業の登録方法について説明していきます。
まず申請に必要な書類を用意しましょう。種別によって変わりますので、以下の表を参考にしてください。
第一種動物取扱業の申請に必要なもの
※✓は必須書類、▲は条件に該当する場合のみ必要です。
これらの申請書は、申請する都道府県の保健所HPからコピーするか、直接保健所で貰いましょう。
また、申請書類の他に登録手数料がかかり、1つの種別につき15,000円です。同時に複数の種別の登録をする場合は+10,000円ずつかかります。
第二種動物取扱業の届出に必要なもの
※✓は必須書類、▲は条件に該当する場合のみ必要です。
これらの申請書は、申請する都道府県の保健所HPからコピーするか、直接保健所で貰いましょう。
第二種の手数料は無料です。
申請後の流れ
必要な書類を全て提出したら、後日保健所の担当者が施設の立ち入り検査を行ないます。
申請事項に間違いがないか、飼養施設に必要な設備や広さはあるかなどをチェックします。
施設の検査もクリアすると登録証が交付されますが、ここで終わりではないのです。
各事業所ごとに、動物取扱責任者という責任者を選出しなければ営業は出来ません。
動物取扱責任者は年1回以上、各都道府県が主催する動物取扱責任者研修を受講することが義務付けられています。
動物取扱責任者についてはこちら!
また、それら全ての手続きを終え営業を開始したら、5年ごとに動物取扱業の登録更新を行ないましょう。更新時期が近づくと保健所から封書が届きますので、忘れずに更新してくださいね。
まとめ
- 動物取扱業には第一種(営利目的)と第二種(非営利目的)がある
- さらに、営業する業種により細かく分類される(種別)
- 動物取扱業を営むには動物取扱責任者が必ず必要
最後に、動物取扱業の開業までの流れをおさらいしてみましょう。
詳しい申請方法は各都道府県や担当する保健所により異なるので、一度問い合わせてみてくださいね。
みなさんも、動物と一緒に働く夢を叶えましょう!